転職成功者インタビュー

株式会社丸水長野県水
浅田正志さん(仮名・物流企画) 44歳

ゆとりの生活、必要とされる喜びが、人間としての幅を広げてくれた。

浅田さんは物流業界ひとすじのスペシャリスト。前職では世界的な規模を誇る大手物流企業の一員として、さまざまな海外アパレルブランドの物流システムの構築や改善を任されていた。

しかし長野で一人暮らしをしている母親のため、さらには長野在住のパートナーとの結婚のために、Uターン転職活動を開始。44歳で長野にある食品商社へ転職した。

生活の舞台は都会から地方へと変わり、会社の規模も格段に小さくなった。だが、本人は物足りなさを感じるどころか、充実感でいっぱいのようだ。「確かに刺激は少なくなったけれど、代わりに得たものは大きい」という浅田さんに詳しいお話をうかがった。

※本記事の内容は、2016年8月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで300日間

転職前

業種
物流
職種
国内物流オペレーション構築
業務内容
さまざまな海外アパレルブランドの国内物流を担当。30人ほどの現場スタッフをマネジメントしながら、返品、入庫、品質保証のオペレーションを構築することや、よりコストを削減するため、より精度を上げていくための改善等

転職後

業種
総合食品商社
職種
物流体制の企画・管理・構築
業務内容
新たに取りに行こうとする仕事に対して物流面から何か付加価値が付けられないかを考えたり、現在の出荷方法や在庫管理の問題点を洗い出して、生産性や正確性がもっと上がる方法を考えたりと、会社や他部署に提案をし、それを実現していくための折衝や調整等

働いて、寝て、おしまい。一生そんな生活でいいのか?

現在のお仕事はどんな内容ですか?

長野市に本社を持つ食品総合商社で働いています。パート従業員を入れて500名ほどの企業で、長野県内のスーパーやコンビニなどへ、魚や肉、冷凍食品、加工食品などを卸しています。

私は入社したときに本格的に始動した物流企画課で、課長を任されています。 具体的な役割としては、物流に関する視点から、新しい付加価値をつける方法の模索、生産性・正確性の向上に向けた問題点の洗い出し、改善策の提案や実現に向けた他部署との調整・折衝などを担っています。

入社前のご経歴を教えてください。

最初は大手印刷会社の系列の物流企業に約10年間勤め、営業と現場管理の両方を担当していました。

次に大手物流企業に転職し、さまざまな海外アパレルブランドの国内物流を担当。30人前後の現場スタッフをマネジメントしながら、返品、入庫、品質保証のオペレーション構築や、コスト削減、正確性の向上推進などを任されていまし

転職のきっかけは?

長野で一人暮らしをする母が心配になったことと、私自身の結婚です。これまでずっと東京と千葉で働いていましたが、その間、母は長野で一人暮らし。母もだんだん弱ってきて、最近では「心細い」と口にするようになりました。

そこで40歳を過ぎたあたりから、少しずつネットで転職情報を見始めました。しばらくは踏ん切りがつきませんでしたが、その後、長野に住むパートナーとの結婚を見据え、長野へのUターンを真剣に考えるようになりました。

転職活動はどのように進めましたか?

大手を中心にいろいろな転職サイトに登録し、情報のアンテナを張っていました。求人紹介のメールはたくさん届きましたが、長野の案件はほとんどありませんでした。

何も進展がないまま3年ほど経ったとき、東京・銀座にある長野県のアンテナショップで開催されていたリージョナルキャリア長野の相談会で、コンサルタントと出会いました。

数か月後に1社紹介してもらいましたが、その時は内定には至らず。 その後しばらくはマッチする案件がない状態が続き、「長野への転職をあきらめて、千葉で結婚しようかな」と思い始めた頃に、今の会社を紹介してもらいました。そこからの展開は早く、夏の終わりに試験と面接を受け、11月には入社しました。

今の会社に決めたポイントは?

仕事の内容です。自分が入って、役に立てるのかどうか、で決めました。面接で話を聞き、ここなら会社が抱える課題と、自分のやりたいことが一致すると感じました。

商社は今、難しい時代を迎えています。消費者と生産者がダイレクトにつながる時代ですから。 そのことを面接で社長に質問すると、「商社が関わることによって、新しいメリットを生み出したい」という話を聞くことができ、とても感銘を受けました。私が今まで培ってきた経験をうまく落とし込めば、新しいものが作れる!と思えたのです。

加えて、長年やってきた物流の仕事も好きでした。どんな時代になっても、物流が滞ると、品物は消費者の手元には届きませんからね。

自分と向かい合う時間が増え、人として成長できた。

転職していかがでしたか?

会社の課題と私の経験は、本当にマッチしていると思います。ただ、改善するのは簡単ではありません。今の会社は、これまで外部の人間が関わってこなかったため、いろいろなものが独自の方向に進化しています。

良い点も、疑問に思う点もいろいろあります。いきなり変えるのは難しいですが、私は何かを変えることを期待され、この会社に来たと思っていますので、少しずつ取り組んでいるところです。

まずは現場に溶け込むことが大切と考え、時間が許す限り、現場に行って棚卸しや仕分けを手伝ったり、営業に資料を提供したりしています。物流部だけでなく、いろいろな部署に顔を出すよう心がけていますね。

そうしているうちに、いろいろな相談の声がかかるようになりました。そのなかから、すでに形になりそうなものも、いくつか出てきています。

転職して良かったと思うことは?

まずは、プライベートが充実したことですね。前の忙しい生活のままだったら、妻も楽しくなかったと思います。私自身も、時間のゆとりができたことで、心にもゆとりができました。

いろいろなことを掘り下げて考えられるようになりましたし、人のことを否定しなくなりました。とりあえず受け入れてから、考える、というように、人間としての幅が少し広がったかな、と思っています。

また長野はとても暮らしやすい街。静かで、緑も多く、癒されています。

困っていることや課題はありますか?

仕事面ではやはり、変えるのは簡単ではない、ということでしょう。でもそれがストレスになっているわけではありません。うまくいかないことに対しては、感情的にならず、気持ちを整理することが大事だと思っています。

目的は何かを確認し、そのために何が必要かを整理すること。またそれを1人で抱えるのではなく、良いことも悪いことも、チームで共有する、ということを心がけています。

収入はだいぶ減りましたが、そのぶんプライベートが充実していますし、以前の収入は残業代の占める割合も大きかったので、特に気にはなりません。

生活面の変化はありましたか?

前職では毎晩帰りが遅く、家には「寝に帰るだけ」の状態でしたが、今は遅くとも19時半には帰れるようになりました。帰宅後は、妻と話したり、好きな本を読んだり、翌日の弁当のおかずを仕込んだりして過ごしています。

また、週に3~4回はジムに行って泳いでいます。もう一つの趣味は、スノーボード。長野県はスキー場の数が日本で一番多い場所です。その日最もコンディションがいいスキー場に朝一番で行き、新雪を楽しんだりしています。

一番近いスキー場へは車で40分ほど。東京からだと5~6時間はかかりますから、すごく楽になりましたね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職には悩みがつきものでしょうが、「自分が役に立てる」と思える話があるならば、動いてみることをおすすめしたいですね。自分が必要とされるところであれば、本気で考えてもいいのではないでしょうか。

一方、給与にこだわりすぎると、入った後に「こんなはずじゃ・・・」というようなことにもなりかねない気がします。

関連情報

求人情報

転職成功者インタビュー一覧

ページトップへ戻る