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「足と健康の専門企業」への変革。人々の歩みを力強く支える会社を目指して。

株式会社シューマート
代表取締役社長 五明 誠司

更新日:2025年10月22日

長野県生まれ。
1995年 株式会社シューマート入社。
2025年 代表取締役社長就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

人の指示より自分の意思で。独立心が社会人としての大きな強みに。

私は長野市松代の出身で、高校卒業まで長野県内で過ごしました。子ども時代から誰かに言われたことをやるのは苦手で、自分で決めたことをやり抜くときに力を発揮するタイプ。学校の勉強では好きな科目に一心不乱に打ち込み、他の科目との差に先生が驚くほどでした。

東京の大学で学んだのち、就職活動時期を迎えて「地元に戻る選択肢もあるな」と考えていた頃、長野の合同企業説明会でシューマートと出会います。その後、会社訪問を通して創業者と会話する中で、シューマートのビジネス戦略や経営の話が非常に面白いと感じて入社を決めました。

私が入社する前年までのシューマートは、高卒人材を中心に毎年7名ほどの新入社員を採用していたそうです。しかし、1995年に私と同期入社した社員は21名もいました。この頃から大卒人材も積極的に採用し始めた、節目の時代でした。

入社後、1年目は当時最も新しかった新潟県上越市の店舗で勤務し、2年目には長野市川中島の店舗に異動しました。私の担当は紳士靴で、同期の中で華々しく活躍する社員に比べるとスロースタートでしたが、「鶏口となるも牛後となるなかれ」の独立的な精神を常に持ち、自分の意見や考えをしっかり確立しながら日々の仕事に打ち込みました。

データを活用した新しい業務に挑み、キャリアを切り拓いた。

入社3年目に入った頃、一時は仕事のやりがいを見失って転職を考えたこともありました。しかし、同時期に会社の組織体制が変わることとなり、経営統括システムの組み替え業務に携わるため、本部グループへ異動となりました。

当時、ほとんどの日本企業ではオフコン(事務処理に特化した小型のコンピューター)が使われており、必要な情報があるときは事務部署に出向き、わざわざ帳票を出力しなければデータが見られない状況でした。

それがWindows 95の登場で大きく変化し、当社でもパソコンでの情報活用に取り組み始めます。私は主に情報処理や数字を扱う業務に従事し、これまで社内で蓄積したデータに基づく分析・調査も手がけました。

はじめはデータの取り扱い方がわからず、手探りで学んだので苦労も多かったのですが、社内で誰もやったことがない仕事に取り組める楽しさとやりがいが大きかったことを覚えています。

その後は、業務により深みを持たせるためのバイヤー経験、商品部に異動して自ら数字を管理しながらの業務経験などを経て、2001年に流通情報部の部長となりました。そして2003年には役員に登用されました。

靴販売から「足と健康の専門小売業」へ進化を遂げたシューマート。

役員として経営企画やバックオフィスを中心とした統括業務に携わる中、2007年には新たな取り組みとして通信販売事業を開始しました。当時の社内には「通販で靴を売るなんて難しいのでは」という声が一部あったのも事実です。

しかし、私は子どもの頃から誰もやったことがない未知の領域や、自分が「面白そう」と感じる分野に打ち込むタイプです。私自身の強みや興味関心を活かせる領域として地道に推進し、現在も事業は継続しています。

その後、時代や顧客ニーズの変化に合わせた事業再建、そしてコロナ禍に起因して集客が厳しい時期を乗り越え、シューマートは単なる靴の販売業ではなく、カウンセリングやフィッティングによる足元のお悩み相談に軸足を置いた経営へと移行していきました。

現在も足のお悩み相談窓口「あしる」を各店舗に設置する取り組みや、店舗のリブランディング・DX化などを推進し、接客強化型の売り場づくりに加え、「足と健康の専門小売業」としての活動を活性化させています。

その中で私はコロナ前後の経営状況の回復を含めた役割を任され、全面的な改革を進めてきました。2022年ごろから組織体制の一部見直しや経営理念の再定義などを行い、2025年8月、代表取締役社長に就任しました。

業務への創意工夫、大歓迎!前向きな人材が成長できる会社。

シューマートが求める人材は、素直・プラス発想・勉強好きな方です。これは、船井総合研究所を創業した船井幸雄氏が提唱した「成功の3条件」と呼ばれるもので、人が活きる経営においても重要な要素とされています。

素直さとは、言いなりになることではなく「そんな考え方もあるんだな」と他者の意見を一旦受け止めるマインドです。

プラス発想は、「明日はきっと良くなる」という希望を持ちながら一定のリスクを考慮して行動を選択すること。そして、知らないことを自ら学んだり、人に聞いたりする勉強好きな面も成長には欠かせません。

AIをはじめとするテクノロジーが発達し続ける現代では、機械が人間の知識や技術を超える場面も多くあります。

そのため、知識・技術だけを武器にするのではなく、過去の経験をもとに「こうすればもっと良くなるかもしれない」と創意工夫するマインドを持った方と一緒に働きたいですね。

中途採用においても小売業の経験の有無を重視するというよりは、前向きなマインドを持って仕事に向かえる方や、デジタル化も含めた業務改善に積極的に取り組む方は非常に魅力的だと感じます。

力を発揮できる舞台がここにある。社員の可能性を信じる経営。

子どもの頃、トマト農家だった父に教わりながら、何千鉢とトマトの苗を植える手伝いをしたことがあります。しっかりと穴を掘って苗を埋めるような植え方をしていたところ、父に「そうじゃない」と言われました。

父のお手本を見てみると、軽く土をへこませてポンと苗を置くだけで終わりです。すると「このままだと生きていけない」とトマトが危機感を覚え、自らしっかりと根を張って土に定着するのだそうです。

私の植え方では過保護すぎて、トマトの生命力を引き出せないとアドバイスされました。これは人も同じで、生き物には本来、もっと良くなろう・成長しようというポテンシャルがあるはずです。

外敵から守り囲い込むのではなく、適度に関わりつつのびのびと根を伸ばせる土壌づくりが重要で、これは会社経営においても常に意識しています。

近年では、福利厚生面や休暇の取りやすさのさらなる改善にも努めています。さまざまなライフステージにいる社員がより働きやすく、より自らの力を発揮できる職場づくりは今後も絶えず取り組んでいくつもりです。

フットヘルスケア企業として、足元から地域の健康を支え続けたい。

シューマートは2023年、ミッション・ビジョン・バリューを見直し「毎日、自分らしく、健やかに歩める社会の実現」を掲げるフットヘルスケアカンパニーとして再スタートを切りました。

経営幹部とともに合宿研修を行い、改めてシューマートをどんな会社にしたいのかと話し合う中で生まれた意見や想いを込めた経営理念です。

私たちは「靴は“今”と“これから”をつなぐもの」という信念を持っており、その販売を通して人々の健康に貢献することを目指しています。大人も子どもも、健康な毎日を過ごすには足に合う靴を履き続けることが重要だからです。

お客さま一人ひとりの足に合った靴を提案するには、販売員の高い提案力も必須となります。単なる商品の販売で終わらせず、足のお悩み相談窓口「あしる」などの展開を含め、靴の専門家としてできることを地域の皆さまに最大限提供したいと考えています。

それらの活動を通して、社員が働きがい・生きがいを感じ、幸せの輪を社員からその家族、会社・お客さま、そして地域へと広げていくことが理想です。

創業からこれまで地域に根ざし、靴を通じて生活の質向上に真摯に取り組んできた精神を受け継ぎ、これからもお客さまに必要とされる靴専門店であり続けます。

私たちの理念に共感し、素直な心で前向きに取り組める方、やりがいのある環境で成長したい方をお待ちしています。

編集後記

コンサルタント
浦野 順也

自分自身がそうしてきたように、一人ひとりが自分の強みを発揮し、仕事を通じて自己実現をしてほしい――五明社長の言葉からは、そんな熱い想いが伝わってきました。

シューマート社は社員が主体的に成長できる環境づくりを大切にし、地域や社会に貢献する企業として進化を続けています。

これからも、一緒に会社を創っていくという気持ちを持った方々とのマッチングを支援していきたいと思います。新しい仲間が加わることで、同社の未来がさらに広がっていくことを期待しています。

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