お客さまに強く求められる存在へ。120年を越えてなお挑戦は続く。
相馬商事株式会社
代表取締役専務 相馬 美穂
長野県長野市生まれ。
2003年 子ども服メーカー入社。
2012年 メガネフレームメーカー入社。
2022年 相馬商事株式会社入社。
2023年 代表取締役専務就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
時代とともに事業を柔軟に変化。相馬商事の120年の歩み。
当社は1902年、もとは薬屋として創業した会社です。初代が地元バス会社の社長を長く務めた経緯から、徐々にバス会社やタクシー会社へ石油を卸す仕事を手がけるようになりました。その後、2代目社長が新たにガソリンスタンド事業を開始し、ある程度の規模を築いていったようです。
3代目は私の父の時代ですが、バブル崩壊と金融危機で日本中のビジネスが大変な時期に事業を引き継ぎました。取引先のガソリンスタンドの多くが事業を撤退した関係で、石油の卸売りは縮小せざるを得なくなりました。
卸売り以外でどうやって事業の柱を据えるか、赤字をどう挽回するかを考えて会社を立て直す中で、それまでの事業から9割以上を変化させて今に至ります。
現在はガソリンスタンド運営や車検・整備などのカーライフ分野、農薬・肥料などの小売販売を行う農業分野、建材やフィットネスクラブ、ドラッグストアなどを運営する暮らし分野の三つの事業を柱とする会社になりました。
好きな仕事に没頭した生活から一転、突然の事業承継と帰郷。
私自身は3代目社長の娘として生まれ、高校卒業まで長野県長野市で育ちました。大学進学と同時に東京に出て、デザインを学び、昔から洋服や可愛いものが大好きだったので子ども服の総合メーカーの広報部門に新卒入社しました。
販促のためのグラフィックデザインや撮影の立ち会い業務などを担い、とても忙しい毎日でしたが、好きな仕事に没頭していたので楽しさが上回り、非常に充実していたように思います。
子ども服メーカーで8年ほど働いた後、メガネの総合フレームメーカーに転職。2社目でも販売促進部に所属し、広報・宣伝・ブランド構築などを担当しました。2社目は9年ほど勤めましたが、朝から深夜まで働くことも珍しくなく、夢中になって毎日の業務に向き合う中で諦めない力を身につけることができ、社会人としてかなり鍛えられた経験でした。
そんな中、2021年春に「長野に戻ってきてほしい」と家族から声がかかります。それまで一度も事業承継の話をされたことがなかったため心底驚きましたが、「やるしかない」という気持ちで東京から郷里へ戻ることを決めました。
過去の常識から脱却!変化に対応しながら学び続ける日々。
相馬商事に入って1年目は、管理本部とドローン事業部を任されました。その頃はドローン事業部がまだできたばかりで若い社員が多かったため、業務の意思疎通がうまく進むように社内の交通整理を主に担当しました。
これまでの会社では一社員として業務に携わり、役職を経験せずに相馬商事へ入社したので、一社員から役職者の目線へと、自分自身のものの見方をアップデートするのはなかなか大変な作業でした。
コロナ禍を経た世の中の変化もありますし、社員が仕事に対して重視するポイントも私が若い頃から大きく変わっています。古い感覚や常識からバージョンアップして現場を率いていくために今も勉強の毎日です。
直近では中途採用を強化していますが、会社の中で新しい取り組みを広げたり風土を浸透させたりする際には、他社のキャリアを持つ人たちの協力が大きな支えになっていると感じます。中には若手社員向けの心理的安全性研修を率先して実施し、若い人材のケアと育成に取り組む中途採用者もいて、非常にありがたい存在です。
情熱や地元愛を胸に、共に会社の未来を築く仲間と働きたい。
当社が一緒に働きたいと思うのは、「誰かの役に立ちたい」「これを成し遂げたい」という気持ちを原動力にして、ゴールを定めて自走できる人です。同じ方向を見て仕事に価値を見出しながら、共に頑張れる人と会社を作りたい。私たちもまだまだ成長過程にある組織ですから、そんな価値観を持つ人ならば中核的な存在としてできることがたくさんある環境だと思います。
Uターン・Iターンを希望する方ともぜひ一緒に働きたいです。年月を経て地元の良さを感じて戻ろうと考える方や、長野県の外でキャリアを積んだ方にとって、「この会社は面白そうだな、もっと知りたいな」と感じてもらえるような情報発信をしていきたいです。
4代目が導く次のステージ。地域に根ざし、いざ新たな挑戦へ。
当社は「お客さまに強く必要とされる存在になる」を経営理念に掲げています。バブル後の大変な時代を切り抜けてきた父がよく言うのは、「お客さまに必要とされる存在であり続ければ、利益は必ず出るはずだ」という言葉です。すべてはそこに集約しており、市場やお客さまのニーズに応え柔軟に変化してきたからこそ、相馬商事の今があります。
厳しいビジネス環境の中でも、幸いなことに当社は人に恵まれ、お客さまにも恵まれて今日まで成長を続けてこられました。相馬商事はもともと佐久市が本社の会社ですが、長野県全域へとビジネス領域を拡大するため、2022年には長野市にも本社を建て、2拠点で事業を行っています。
近年は新卒採用も増加し、ジョブローテーションで各部署を体験しながら新入社員を育てる風土が徐々に根付き始めました。
4代目として私が事業を承継する頃には、父と役員たちがこれまで築き上げてくれた会社の土台をもとに、個人が持つ力やアイデアを掛け合わせ、新たな挑戦につなげる会社へとさらに進化させていきます。
それぞれが自分の新しい目標を見つけながら、良い相乗効果を発揮できる組織を目指していくので、長野県に貢献したい人、長野県で自分の可能性を見つけたい方からのご応募をお待ちしています。